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Mont Blanc du Tacul 
                          (の予定だったのですが…)

 久しぶりの「山スキー」です。 今回はいよいよアルプスに挑みます。 目指す(予定だった)山は「モン・ブラン・デュ・タッキュ」4248m ですが、結果を先に報告すると、登れませんでした(笑)。 実は以前から怪しかったです。 前記のラ・クルーザ、ティーニュでも綴ってますが、このところ季節外れの大雪が降ったりしていたので、標高の高いアルプスは当然のごとく大荒れの天候が何日も続き、山での事故、遭難が相次いでいました。 この日も朝6時にシャモニー入りして待機していたのですが、最初に使う「エギュイーユ・デュ・ミディ」のロープウエーも強風の為動くかどうか微妙という状態。 しかも相方のアレックス曰く「ロープウエー乗り場に他の登山者が待機していない、普段なら行列が出来ているのに今日はおかしい。」 確かに観光客ではなく、登山者らしき人達というのはほとんどいませんでした。 結局、山の上部が霧で覆われて見えないまま、朝8時にロープウェーは動き出し、我々はそれに乗車しました。 「エギュイーユ・デュ・ミディ」のロープウエーは2つのロープウェーを乗り継いで標高3777mの山頂駅まで標高差2750mを約20分で登ります。 山頂駅に着くと、不思議な世界が広がっていました。 シャモニの谷、つまり下界は厚い雲海に覆われ、エギュイーユ・デュ・ミディの周辺だけがエア・ポケットの様に晴れ渡り、更に高い山々はまた霧で覆われているといった状態です、だから遠くの山は見えません、周辺だけが見渡せます。 私とアレックスの2人は観光客が展望台へと向かうのとは逆方向、ヴァレーブランシュへの入り口へと向かいました(左の写真)。 そしていつもの様に滑り止めを付けたスキーで進んでいきます。 山スキーは下りも含めた全ての行程を比較的天候の安定した午前中から昼までに行わなければなりません。 今日は長い距離、そして標高4000mを超えるハードな行程に加え、1時間すでに時間をロスしています。 アレックスと2人で12時にアラームをセットしてたとえモン・ブラン・デュ・タッキュの頂上に着けなくても12時を過ぎたら下山するということにしました。 しかし、アラームをセットして30分も経たないうちにアレックスが私に「オマエ、俺がクレバスに落ちたら助けてくれる?」と、尋ねてきました。 もちろん助けないワケないのですが、この質問の意味は救助技術やロープの使い方のことです。 山スキーがまだ数回の私にもちろんそんな技術ありません。 で、なぜ彼がそんな自分でも解っているような質問をしたかというと、モン・ブラン・デュ・タッキュの登山ルートは氷河、というかクレバスの間を縫うように登っていくのですが、ここ何日か登った形跡がなかったのです。 もし、今日アレックスを先頭に行くとしたら彼はクレバスに対してとても大きなリスクを背負うことになります。 実際、その氷河を目の当たりにして、こんな所登れるわけないじゃんと思う位、荒れていました。 結局我々は12時のアラームを待つことなくその場でモン・ブラン・デュ・タッキュへの登山を断念しました。
 その後は誰もいないヴァレーブランシュの周辺でピクニック気分でお昼を食べ、それからエギュイーユ・デュ・ミディへ戻り、私はエギュイーユ・デュ・ミディが初めてだったので頂上の展望台(3842m)へ登ってみることに。 行ってみると、なんと日本人と韓国人の団体観光客が来ていて、そこに日本人のアルピニスト(注:ニセモノのアルピニストですが…)が来たものだから、記念写真を一緒に撮ったり、質問攻めに会ったりと、ちょっとしたヒーローになっちゃいました(笑)。 
ヴァレーブランシュへの入り口
策の内側は観光地ですが
外側はアルピニストの世界だよと
看板に書いてあります
で、アルピニストの世界を
少し下った所
滑落したら助からないでしょう
奥に見える塔が
エギュイーユ・デュ・ミディ頂上
ヴァレーブランシュの広い雪原から
モン・ブラン・デュ・タッキュへと
登る壁。(右上に進みます)
しかし、ここまで!
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